周囲を4階建に囲まれた北向短冊型の敷地に、いかに光と風を取り込むかが、この住宅の大きな課題でした。必要なボリュームを積み上げ、周囲の建物から覗かれない場所に開口部を計画し、全体の形をデザインではなく外的要因(周囲からの視線・光・風)で決めてゆきました。最終的には、CAD内で3D化し、各季節の太陽高度入力しシミュレーションすることで室内環境の確認をしました。この手法は非常に有効で、ほぼ計画どおり、光・風・視線のコントロールができました。1階は店舗と駐車場、2階は父世帯住居、2階の一部と3階が若夫婦世帯の住居です。3階のキッチンはテーブルとキッチンがステンレスの一体成型となっており、様々な使い方に対応しています。 ただ、1つ予想外だったのは、3階若夫婦のリビングにつくったミニカー(若主人の趣味)展示用ロフトの飾棚では足りなくなる程、ミニカーの数が増えてしまったことでしょうか。